【インフラ】DNSの仕組みと歴史

2023.04.14

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こんにちは、ウェブスピード サポートデスクです。

お客様がウェブスピードをいただく場合、DNSサーバーを無料で利用できる仕様となっていますが、そもそも「DNS」とは、どのようなシステムなのかを詳しく見ていきます。

DNSの概要

DNS(Domain Name System)はインターネット上の様々なサービスやシステムにおける、非常に重要なインフラ基盤であり、ユーザーが安定かつ高速にアクセスするために必要不可欠な仕組みです。DNSサーバーはインターネット上に数多く存在しており、DNSクエリを受け取って、ドメイン名に対応するIPアドレスを返す役割を担っています。

DNSは階層的な構造を持っており、全体をドメインツリーと呼ばれる構造で管理されます。ドメインツリーは、ルート(最上位)から下位のドメインに向かって、階層的に構成されています。

例えば、example.com というドメイン名があった場合、それは .com というトップレベルドメインの下にある example というサブドメインとして扱われます。example.com というドメイン名に対応するIPアドレスを管理するDNSサーバーがある場合、そのDNSサーバーは example.com のドメイン名に対する権威(Authoritative)があると表現されます。

また、DNSサーバーにはキャッシュ機能があり、一度問い合わせたドメイン名に対しては、一定期間内はキャッシュに保存しておくことができます。これによって、再度同じドメイン名に対して問い合わせが生じた場合でも、キャッシュから返答することができ、より高速に応答することができます。

DNSの仕組み

① ユーザーがWebサイトにアクセスする

ユーザーがブラウザなどのアプリケーションからWebサイトにアクセスすると、そのWebサイトのドメイン名が送信されます。

② ドメイン名を解決するためにDNSリゾルバに問い合わせる

ユーザーのデバイスは、DNSリゾルバと呼ばれるサーバーに対して、Webサイトのドメイン名を解決するように問い合わせをおこないます。

③ DNSルートサーバーに問い合わせる

DNSリゾルバは、まずDNSルートサーバーに問い合わせをおこないます。DNSルートサーバーは、全てのドメイン名がどのDNSサーバーに登録されているかを管理しています。

④ トップレベルドメインのDNSサーバーに問い合わせる

DNSルートサーバーは、Webサイトのドメイン名が登録されているトップレベルドメイン(TLD:Top Level Domain)のDNSサーバーに問い合わせします。トップレベルドメインは、.com や .net などのトップレベルドメインを管理しています。

⑤ 権威DNSサーバーに問い合わせる

TLD DNSサーバーは、Webサイトのドメイン名が登録されている権威DNSサーバーへ問い合わせします。権威DNSサーバーは、Webサイトのドメイン名に対応するIPアドレスを管理しています。

⑥ ドメイン名に対応するIPアドレスを返す

権威DNSサーバーは、Webサイトのドメイン名に対応するIPアドレスをDNSリゾルバに返します。DNSリゾルバはこのIPアドレスを受け取って、ユーザーのデバイスへ返します。

DNSを管理している団体

DNSの管理団体は、ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)です。ICANNは、非営利の国際組織であり、インターネットのドメイン名やIPアドレス、ルートサーバーの管理をおこなっています。

ICANNは1998年に設立され、それ以前はDNSの管理はアメリカ政府がおこなっていました。ICANNは、インターネットのグローバルな利用を促進するために、ドメイン名の割り当てや管理・DNSの標準化・インターネット上の識別子の管理などをおこなっています。

世界中から集まった専門家や利害関係者から構成される諮問委員会を設置して、DNSに関する方針決定をおこなっていました。ICANNはドメイン名やIPアドレスを割り当てるためのプロセスを策定し、それを実施するために多数のレジストラやレジストリと協力しています。

ICANNはインターネット上でのドメイン名や、IPアドレスの管理に関する業務を担っているため、インターネットの安定性と信頼性を確保するために重要な役割を担っています。

DNSの歴史

DNSは1,983年にインターネットの開拓者であるポール・モッカペトリス氏によって開発されました。それ以前のインターネットでは、ネットワーク上の機器は数字のIPアドレスでのみ識別され、人間が覚えられるような名前を持つことはできませんでした。

DNSの開発には、機器のIPアドレスを人間が覚えられる名前に対応させることが主な目的でした。そのためDNSは階層的な名前空間を持ち、トップレベルドメインから下位のドメインに向かって、階層的に構成される仕組みが導入されました。

DNSの最初の仕様書は、1,983年にリリースされました。その後、DNSは、インターネットの成長に合わせて、様々な機能や機能改善が導入されてきました。

そして1,992年には、DNSに関する標準化をおこなうために、IETF(Internet Engineering Task Force)によって、RFC1034とRFC1035がリリースされました。これらのRFCは、現在でもDNSの標準的な仕様として使用されています。

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