【解説】PHPのバージョンの違いによって起こる影響と対策
こんにちは、ウェブスピード サポートデスクです。
WordPress のコアファイルのほとんどはPHPファイルで構成されており、WordPress と PHPは切っても切り離せない関係性です。
今回の記事では、PHP のバージョン変更した際の影響と各バージョンごとの違いについてご紹介いたします。
目次
PHPのバージョンについて
これまで PHP はいくつものアップデートを行い、バージョンを更新してきました。以下にバージョンごとの特徴を記載しております。(詳しくは公式HPまで)
・PHP 5 シリーズ
PHP 5.0 が2004年にリリースされ、その後数回のパッチリリースが行われました。このシリーズでは、オブジェクト指向プログラミングや例外処理などの機能が導入されました。
5.3 からは名前空間のサポートも追加されました。
・PHP 7 シリーズ
PHP 7.0 が2015年にリリースされ、大幅にパフォーマンスが向上されました。このシリーズでは、PHPの言語自体に処理構造の変化があり、新しい言語機能(例:スカラータイプヒンティング・無名クラス・ Null合体演算子など)が追加され、パフォーマンスと開発効率が向上しました。
・PHP 8 シリーズ
PHP 8.0 が2020年にリリースされ、強化パフォーマンス向上と新機能が提供されました。このシリーズでは、JITコンパイラ・名前付き引数・match式などの注目機能が導入され、いくつかの新しい関数も追加されました。
※ 現在 PHP5.0 などの古いバージョンは既に公式サポートが終了しており、安全性には欠けています。利用されている方は速やかにバージョンアップする事をおススメします。
バージョンアップ後の影響
実際に PHP のバージョンアップを行うと、良くも悪くも様々な影響があります。以下にはバージョンアップで受けられる恩恵や問題について記載しています。
・セキュリティの向上
新しいバージョンにはセキュリティ上の脆弱性が修正されており、攻撃に対する防御策が強化されています。古いバージョンのままで放置すると、セキュリティリスクが高まり攻撃の標的にされる可能性があります。
最新のバージョンにアップグレードすることで、サイトの安全性を維持しましょう。
・新機能の追加
新しいバージョンの PHP には、開発者向けの新機能が追加されたり、機能が強化されることがあります。これにより開発プロセスを向上させることができます。
・サポート期間の更新
PHP はリリース後から約3年でセキュリティサポートが終了してしまいます。これにより定期的なメンテナンスが行われなくなり、脆弱性が発見された場合にも対処が施されなくなってしまいます。
バージョンのアップグレードを行い、サポート期間を更新することをオススメします。
・サイト内の互換性
古いバージョンで開発された PHP プロジェクトを新しいバージョンで実行しようとすると、なんらかの不具合が発生する可能性があります。
古い関数や構文が非推奨になり、新しいバージョンでは正しく動作しない場合がありますので、事前に互換性の問題がないか確認する必要があります。
・プラグインの非対応
一部のプラグインやフレームワークが対応していないことがあります。 アップグレードする前に依存関係のチェックを行い、問題が発生しないか?のチェックが必要になります。
バージョンを上げる前に
PHP のバージョンアップの際に、何らかの不具合が発生する可能性があります。実行する時には下記の作業を行い、アップグレード後に何らかのトラブルが発生しても、バックアップから復元できるよう対策が必要です。
① バックアップの作成
② システム要件の確認
③ 互換性のテスト
④ プラグインやフレームワークの更新
まとめ
以上、PHP のバージョンの違いによって起こる事象についてご紹介しました。
PHP のバージョンアップは、いつかは行わなければならないものではありますが、安易に実行してしまうと様々な問題が発生する危険性がありますので、実行する際には十分にお気を付けください。
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